豊胸手術を受ける際、術後の痛みはどうなのかということが気になる人も多いのではないでしょうか。痛みの大きさやそれが続く期間によっては、仕事を休まなければならなくなる場合もあるので、あらかじめ痛みについて知っておくことはとても大切です。
そのためここでは、豊胸手術の種類ごとの特徴や、痛みの大きさ・ピークなどについて紹介します。
そもそも豊胸手術には主に3つの種類がある
豊胸手術と一口に言っても、その種類はさまざまであり、それぞれの手術方法によって術後の痛みの大きさや場所、そしてピークも変わります。ですので、まずはどんな種類があるのかを知っておく必要があるのですが、主なものとしては、「脂肪注入豊胸」と「シリコンバッグ豊胸」、そして「ヒアルロン酸注入豊胸」の3つが挙げられるでしょう。
以下の項目では、それぞれの種類ごとに特徴や痛みに関することを説明していきます。
「脂肪注入豊胸」の特徴と痛みについて
「脂肪注入豊胸」とは、自分の体内から採取した脂肪を胸部に移植するという手術方法になります。他の2つの方法と比べると、脂肪を採取する手術が別に必要になることや、人工物ではなく自分の体内から採取した天然の細胞が使えるという特徴があると言えるでしょう。
脂肪注入豊胸のメリットとしては、見た目や触り心地が自然になることや、手術を行うことで余計な脂肪を取ることができるといったことが挙げられます。脂肪を採取する部分は、太ももの後ろや外側といった箇所が選ばれることが多く、豊胸手術をするついでに下半身をシェイプアップすることが可能です。
ただし脂肪注入豊胸のデメリットとしては、そもそも余った脂肪がないと実施できないということや、他の豊胸手術の方法と比べると一度の手術であまりボリュームを出せないということが挙げられます。そして痛みに関しても、術後3日~7日程度まで続く場合があります。
しかし脂肪注入の場合は、豊胸を行う胸部の痛みではなく、脂肪を採取するために脂肪吸引手術を行った部分に痛みが生じるという特徴があるのです。脂肪注入豊胸を行うと、胸部が多少腫れて熱っぽくなったり、赤みが生じたりすることがありますが、赤みは2週間程度で治まりますし、腫れについても1カ月程度かけて少しづつ落ち着いていきます。
しかし脂肪吸引を行った部分は、術後に筋肉痛のような強い痛みが生じることがあり、比較的強い痛みのピークは、「術後3日間」とされています。術後の痛みは、手術した部分を動かしたり力を入れたときに生じることが多くありますが、まったく動かせないというわけではないため、その点は心配する必要はないでしょう。
ただし、痛みのピークが訪れる術後3日間は安静にしておいたほうがよいので、仕事をしている場合は、その間休みをもらうようにしておいたほうがよいかもしれません。
「シリコンバッグ豊胸」の特徴と痛みについて
「シリコンバッグ豊胸」とは、シリコンバッグを胸部にいれて豊胸を行うという手術方法です。先ほどの脂肪注入豊胸と比べると、人工物を入れるという点に特徴がありますが、体内に入れても問題ない物質が使われています。
また、この豊胸手術には、ワキの下を切開してからシリコンバッグを入れる腋窩切開という方法と、アンダーバストを切開する乳房下溝切開という方法の2種類があります。シリコンバッグ豊胸のメリットとしては、十分なボリュームを出すことができることや、成分が体内に吸収されないため大きさが安定していること、そして後で取り出すこともできるということが挙げられるでしょう。
ボリュームについては、脂肪注入の場合は200ccまでで、ヒアルロン酸注入は300ccまでとされていますが、シリコンバッグの場合は800ccまで入れることができます。そのため、2サイズ以上のアップを確実に行うことが可能です。
そして、シリコンバックは成分が吸収されることがないため、半永久的に効果を持続させることができます。ただしシリコンバッグ豊胸のデメリットとしては、胸の動きが少し不自然になってしまうことや、術後にやや強い痛みが生じることがあるということが挙げられるでしょう。
術後の腫れや内出血については2週間程度で治まりますが、痛みに関しては術後3日~7日程度続く可能性があります。そして痛みのピークは、脂肪注入の場合と同じように「術後3日間」ということになるでしょう。また、筋肉痛のような痛みが生じるのも特徴であり、肩を動かすと痛みが走るといった体験談も見られます。
こうしたことから、シリコンバッグ豊胸を受けるときも、やはり術後3日間程度の安静や休暇が必要になります。
「ヒアルロン酸注入豊胸」の特徴と痛みについて
「ヒアルロン酸注入豊胸」とは、ヒアルロン酸と呼ばれる成分を胸部に注入する手術方法を指します。このヒアルロン酸というのは、もともと体内に存在する成分なので、人工物ではあっても安全性は高いでしょう。ヒアルロン酸注入豊胸のメリットとしては、手術時間が短く、体への負担が少なくて済むことや、ダウンタイムが短いこと、そして注入する量を自由に決められることが挙げられます。
術後の痛みについては、手術による体への負担が少ないこともあって、「ほとんど痛みはない」と言われています。そして基本的に注射だけで済むため、キズ跡が残ることもあまりないでしょう。ただしヒアルロン酸注入豊胸のデメリットとしては、時間が経つと、成分が体内に吸収されてしまうことや、感触が少し硬いということ、そしてあまり大幅なサイズアップができないということが挙げられます。
豊胸手術で使用されるヒアルロン酸は低吸収のものですが、効果の持続期間は3年程度だとされています。ですので、3年以上効果を持続させたい場合は、再度手術を受ける必要があるでしょう。
どの豊胸手術の方法が向いているのか
ここまで、それぞれの方法の特徴や痛みに関することを説明してきましたが、痛みを特に気にする場合であれば、ほとんど痛みがないとされる「ヒアルロン酸注入豊胸」が向いています。しかし、見た目や触り心地の自然さを求めるのであれば「脂肪注入豊胸」が向いていますし、大幅なサイズアップや半永久的な効果の持続を求めるなら「シリコンバッグ豊胸」がおすすめです。
また、術後に痛みが生じる方法の場合でも、クリニックから処方された痛み止めを服用すれば痛みを軽減できるので、その点は安心できます。しかし、あまりに痛みがひどいようであれば、受診したクリニックに相談するようにしましょう。